MT美肌研究所がお届けするオンラインマガジン

シミができるメカニズムとは?各種美白成分の作用も解説

数ある肌のお悩みの中でも、肌にぽつりと浮かぶシミに、長年悩まされている方も多いのではないでしょうか。一度できてしまうとなかなか無くならず、メイクでも隠し切れないほど色濃くなってしまうこともあるシミ。できればこれ以上のシミやシミ予備軍を作らず、美しい肌を保ちたいですよね。今回はシミができる仕組みや、有効な美白成分がそれぞれどのような働きをするのかを紹介します。

シミができる原因とは

シミができる原因はいくつかあります。まず一番代表的なものは「紫外線」。シミの原因の約80%は紫外線だと言われており、シミを作らないため、美白のためにUVケアに気を付けている方も多いはずです。しかし残りの20%のシミの原因はさまざまです。ストレスやホルモンバランスの乱れ、ニキビのあとなど皮膚への刺激が原因であるほか、肌の老化によるものもあります(老人性色素斑)。

シミができるメカニズム

肌が紫外線やホルモンなどの刺激を受けると、肌の表面にある細胞から「刺激を受けた」という伝達物質が分泌されます。これが、肌の基底層に存在するメラノサイト(メラニン色素を作る工場のような役割)を活性化します。メラノサイトの中では、チロシナーゼという酵素が働いてメラニン色素を作り出します。メラニン色素は肌の新陳代謝によって排出されて消えていくのですが、作り出されたメラニン色素が多ければ、排出されずシミとして残ってしまうのです。年齢を重ねるにつれて、肌の生まれ変わり(ターンオーバー)の速度が遅れていくので、より一層シミが肌に沈着しやすくなります。しかし、そもそもメラノサイトがメラニン色素を作り出すのは、刺激により傷ついた肌を守るための防御機能によるもの。なので、メラノサイトやメラニン色素すべてが、悪者というわけではありません。ただ紫外線などの刺激を繰り返し受けていると、メラノサイト自体が増えてしまい、作り出されるメラニン色素の数も増加します。こうなると肌の新陳代謝では排出しきれなくなり、シミとなってしまいます。

シミに効く美白成分の種類

シミを薄くしたり、シミをこれ以上作らないようするために、有効とされている美白成分は数多くあり、幅広いスキンケアアイテムに配合されています。美白成分として有効性が認められたものは、シミを作らせないためにさまざまな方法でアプローチします。そのほとんどは、直接肌を白くするわけではなく、肌が黒くなろうとする原因の色素を作らせないようにする働きをもっています。それぞれの成分がどのような働きをしてシミの抑制に役立つのか解説します。

肌の刺激や炎症を抑える成分

シミの原因は肌への刺激なので、メラニン色素を作る前の段階で肌の刺激と炎症を抑える成分です。
■グリチルリチン酸、トラネキサム酸

メラノサイトを活性化させるための伝達物質を抑制する成分

肌が刺激を受けると、肌表面の細胞がメラノサイトにメラニン色素を作るよう伝達物質を出しますが、この伝達物質が分泌されないように抑制する成分です。
■カモミラET、トラネキサム酸、t-シクロアミノ酸誘導体

メラノサイトの活性を阻害する成分

メラノサイトがメラニン色素を作らないように、メラノサイト自体の活動を抑える成分です。
■D-メラノ、トラネキサム酸セチル塩酸塩(TXC)、ロドデノール

チロシナーゼの活性を阻害しメラニン色素を作らせないようにする成分

メラノサイトの中に存在し、メラニン色素を作り出す酵素であるチロシナーゼの活動を抑える成分です。
■4MSK、アルブチン、コウジ酸、トラネキサム酸、ビタミンC誘導体、ルシノール、油溶性甘草エキス、ハイドロキノン、エラグ酸

チロシナーゼの量を減らす成分

メラノサイトの中に存在し、メラニン色素を作り出す酵素であるチロシナーゼの数を減らす成分です。
■リノール酸、マグノリグナン

メラニン色素の蓄積を抑える成分

生成されたメラニン色素が肌にたまらないようにする成分です。
■エナジーシグナルAMP

たまったメラニン色素を排出する成分

すでに肌に蓄積しているメラニン色素を排出し数を減らす成分です。
■4MSK

このように、シミに有効な成分はたくさんありますが、それぞれが異なる役割を果たして、シミを作らせないように働きます。美白効果やシミへの効果があるとされているアイテムには以上のような成分が含まれていることが多いので、選ぶ際の参考にしてみてください。

シミのホワイトニングは可能なのか

ところで、一度できてしまったシミはホワイトニングして消すことは可能なのでしょうか。実は一度肌に沈着してしまったシミを、スキンケアだけで完全に消すことは難しいのです。大切に着ていた白い服に、うっかり濃い汚れがついてしまった状態を想像していただくとわかりやすいかもしれません。汚れがついてしまったあとに、急いで洗濯したりクリーニングに出しても、薄くはなってもシミのあとがうっすら残ってしまったりします。肌の場合もそれと同様です。シミができてしまったあとでホワイトニングしようとしても、薄くすることは可能ですが、漂白して消すようなことは困難です。どんなに有効性が認められた美白成分であっても、シミを漂白する成分ではないからです。ごく初期の薄いものであれば、美白化粧品で解消できますが、濃く沈着してしまったものに関しては難しいです。やはりシミ対策に一番大切なことは、予防するということです。上記の「シミに効く成分」で紹介した成分が配合された化粧品は、日常的に使うことでより高い効果を発揮します。日ごろからスキンケアアイテムの力を借りて、肌への刺激を減らしたり、メラニン色素を作らせないように積み重ねることによって、シミのできにくい肌になっていきます。

シミを減らすためにできること

ピーリングを取り入れる

ピーリングとは古くなった角質をピーリング剤を使って溶かすこと。古い角質を取り除くことによって、肌の新陳代謝を促し、肌に溜まっているメラニン色素を排出します。ピーリングは自宅で手軽にできるものと、クリニックで受けるものとがあります。

美白化粧品で予防する

肌の新陳代謝を促す化粧品や、シミ予備軍を増やさないための美白化粧品は、日常的に使用することをおすすめします。今あるシミが完全に消えなくても、新しいシミを作らないようにすることも大切です。

レーザー治療を受ける

スキンケアでホワイトニングすることが難しいシミは、クリニックのレーザーで治療することで改善が見込めます。長年悩んでいたシミも、プロの手にかかるとすぐに解決することがあるので、一度クリニックで相談してみるのも手です。

ごく初期の薄いシミは美白化粧品でのケアで十分に解消できる可能性があります。しかしできてから時間が経過してしまったシミについては、スキンケアでのホワイトニングが残念ながら難しいものです。だからこそ、できるだけ肌に刺激を与えないように気を付けたり、美白ケアをして予防していくのが重要だと言えます。紫外線が増える春夏だけでなく、一年中の使用が理想的です。これからの肌のためにも、美白化粧品を毎日のスキンケアに取り入れてみてはいかがでしょうか。

facebook
line
twitter

No image

  • 口周りの黄ぐすみ…原因は何?対策も解説
    口周りの黄ぐすみ…原因は何?対策も解説

    口周りの黄ぐすみに悩んでいる方はいませんか。口周りの黄ぐすみは、日常的な肌への刺激や食生活をはじめとした生活習慣が原因です。そのまま放っておくと黄ぐすみが定着してしまうので、適切な対策を取り入れると良いでしょう。この記事では、口周りの黄ぐすみの原因や対策を詳しく解説します。

  • 老け顔の原因のひとつは「アセチルコリン」の減少だった!?
    老け顔の原因のひとつは「アセチルコリン」の減少だった!?

    アセチルコリンの減少は、老け顔を引き起こしてしまう原因のひとつと言われています。アセチルコリンとはどんな物質なのか、詳しくご紹介します。

  • 肝斑と老人性色素斑の違いは?特徴や原因について
    肝斑と老人性色素斑の違いは?特徴や原因について

    鏡を見るたび気になるシミ。「もしかして肝斑かも」「普通のシミと肝斑の見分け方は?」とお悩みの方もいると思います。シミは種類によって適切な治療方法が異なるので、まずは自分のシミを理解しておく必要があります。本記事では肝斑と老人性色素斑の違いや特徴について詳しく解説します。

  • 50〜60代ならではの肌の悩み|たるみ・シワの原因と対策
    50〜60代ならではの肌の悩み|たるみ・シワの原因と対策

    年齢とともに変化していく肌悩み。女性ホルモンの減少や身体機能の低下が訪れやすい50〜60代は、肌が今までと違う…と感じている方も多いのではないでしょうか。そんな50〜60代の肌悩み上位にランクインしているのが“たるみ・シワ”。進行すると実年齢より老けた印象になってしまうことも。原因を理解し、適切な対処を行うことでたるみやシワの改善を図りましょう。

  • 30代ならではの肌の悩み|毛穴悩みの原因と対策
    30代ならではの肌の悩み|毛穴悩みの原因と対策

    年齢とともに変化していく肌悩み。今まで目立っていなかった肌の不調が表に現れやすくなる30代は、20代の頃とは肌が違うと感じている方も多いのではないでしょうか。そんな30代の肌悩み上位にランクインしているのが“毛穴”。解決の近道は自分の"毛穴タイプ"とその原因を知ることです。原因を理解し、適切な対処を行うことで毛穴レスな肌を目指しましょう。

  • 20代ならではの肌悩み|ニキビの原因と対策
    20代ならではの肌悩み|ニキビの原因と対策

    年齢とともに変化していく肌悩み。仕事や家庭環境に変化が訪れやすい20代は、10代の頃とは肌が変わってしまった…と感じている方も多いのではないでしょうか。そんな20代の肌悩み上位にランクインしているのが“ニキビ”。20代に起こるニキビは、20代前半と20代後半とで特徴が変わる傾向にあります。原因を理解し、適した対処を行うことでニキビの改善を図りましょう。

  • シワ、くま、たるみ。目元の悩み別! 原因を徹底解説
    シワ、くま、たるみ。目元の悩み別! 原因を徹底解説

    女性が抱く目元の悩みの中でも特に多い「シワ」「くま(くすみ)」「たるみ」について、悩み別に原因と対処法について解説します。

  • 花粉でなぜ肌荒れ?理由や注意点
    花粉でなぜ肌荒れ?理由や注意点

    花粉の時期になるとなぜか肌荒れを引き起こしてしまうという方もいらっしゃるのではないでしょうか。花粉による肌荒れは花粉皮膚炎と呼ばれ、アレルギー反応が原因です。この記事では、花粉皮膚炎の原因や特徴、具体的な対策を詳しく解説します。

  •  冬に気になる肌ぐすみについて
    冬に気になる肌ぐすみについて

    なぜ、冬になると肌がくすみやすいのでしょうか?そもそも、肌ぐすみの原因は何でしょうか?今回は、肌ぐすみについてご紹介します。また、具体的な対策もご紹介しますので、寒くなるこの季節にしっかりと対策をして、美しい肌で過ごせるようにしましょう。

  • マスク着用でニキビ肌に!マスクネの原因と対処について
    マスク着用でニキビ肌に!マスクネの原因と対処について

    マスクネという言葉をご存じですか?マスクをしていることで、ニキビが増えたように感じる、という人が急増しています。今回は、マスクがどうニキビに影響するのかご紹介します。