美肌ってどんな肌?
「美肌」と聞いたら、どんな肌をイメージしますか?
「健康で陶器のようなつるつる肌」「生まれたての赤ちゃんみたいな卵肌」…と、たとえはいろいろあるでしょう。
まず、美肌の条件は、ニキビや吹き出ものといった肌トラブルがないこと。そして、シミやシワがないことです。
では、どうしたらそんな肌になれるのでしょうか。
実は肌には年齢だけでなく、心や体の状態やその人の生活環境までもが映し出されています。ですから、見ただけで何となくその人の生活が感じ取れるのです。たとえば、生活が荒れていればどんよりとした疲れた顔をしていますし、逆に人生が楽しければ生き生きとした表情をしています。
つまり、美肌は健康な体と心がベースになっているので、心身ともに健康でないと美肌づくりはできないのです。
自分の肌をよく観察することが、スキンケアの第一歩となります。
鏡の前でしっかりと自分の肌を観察しましょう。
もちろん、肌質、その日の健康状態、季節によって肌の状態は変化していきます。いつも同じではありません。
もし、肌が乾いていたら…「今日は肌が乾燥しているから、いつもよりうるおいをプラスしよう」。こういったその日の肌状態に合わせたケアが必要なのです。
ということは、いつも同じように顔を洗って、同じ量の化粧水をつけて…といったルーティンケアではダメだということです。まず、自分と向き合い、その日の自分の状態を知ることから始めましょう。
肌が持つ力を引き出すこと
まず、スキンケアのコツを抑えましょう。肌全体の機能を高めるポイントを押さえることが、美肌への近道となります。
1肌の汚れをしっかり落とすこと
顔は、皮脂腺が発達している部位です。皮脂が多くなると汚れがたまりやすくなりますし、皮脂が酸化すればニキビや毛穴のトラブルも起きやすくなります。
肌の汚れは皮脂量が増える原因になります。そのほか、生活習慣の乱れや偏った食生活も要因となります。
毛穴に汚れをためないこと、汚れをしっかりと洗い流すことで皮脂がスムーズに排出され、トラブルを防ぐことができます。また、女性は生理前に黄体ホルモンが分泌されることで皮脂量も多くなります。このような時期は特に余分な皮脂をためないように気をつけましょう。
2肌のターンオーバーをスムーズに
洗顔には古い角質を取り除いて、皮膚の再生を助けるという役目があります。古い細胞と新しい細胞が入れ替わる再生システムをターンオーバーといい、約28日かけて行われます。このターンオーバーが正常に行われていれば、美肌が保たれるのです。
しかし、加齢によって代謝が衰えたり、外からのダメージでターンオーバーの周期が崩れてしまうと、健康な肌を作ることができません。古い角質がたまって角質層が厚くなり、肌の乾燥、くすみ、小じわなどを引き起こしてしまうのです。
ターンオーバーをスムーズにするには、外部からの刺激を避けること。そして、洗顔で古い角質を落とし、細胞の入れ替わりが滞らないようにする必要があります。
3肌の保湿力を化粧水でアップする
バリア機能が正常に働いているときの肌は、自らの保湿で水分を10~20%に保っています。しかし、乾燥してくると保湿機能が弱まってしまい、バリア機能もともに弱ってしまうのです。
逆に多量の水分を吸収させても、一時的にバリアの機能を低下させることができます。その特性を知れば、洗顔後に化粧水を十分に角質層へしみ込ませてやると、あとに用いる美容液などの有効成分の浸透性を高めることができるようになります。
このように肌の保湿力を高めることで、角質層のバリア機能を同時に高めることができるようになります。
洗顔後は化粧水をじゅうぶんに肌に与えてあげるようにしましょう。
4肌に栄養を行き渡らせるには血行促進
体は血液を通して老廃物を排出しています。これは顔も同じです。しかし、年齢とともに体の血液循環も衰えてきます。また、気温が低ければ血行が悪くなり、肌の代謝機能も低下します。
つまり、表皮のターンオーバーの遅れ、角質層のバリア機能の低下を招いてしまうので、肌荒れ、小じわ、くすみ、しみなどができやすくなってしまうのです。
では、代謝を良くするためにはどうしたらいいのでしょうか。
体の代謝を良くするには運動や入浴ですから、顔も同じようにマッサージや入浴などが有効となります。肌の温度を上げることで代謝が良くなり、全てのトラブルが解消します。
心身を健康に保つことが美肌への近道
体調が悪ければ顔色も悪くなります。でも、逆に考えれば体調を整えれば肌色も良くなるということ。睡眠、食事、運動の習慣を見直し、体内からスキンケアを行っていきましょう。
1睡眠の質をアップ
しっかり睡眠を取れば、起きたときに疲れが取れてすっきりしますが、寝不足の時は、ぐったりとして眠くてたまりません。しかし、しっかりと寝たつもりでも、疲れていることがあります。
成長ホルモンは入眠直後に多く分泌されます。肌の再生には成長ホルモンの分泌が約6時間必要といわれているので、最適でも6時間の熟睡が必要となります。
寝つきが悪かったり、途中で目が覚めてしまうと肌の再生がじゅうぶんにできないので、睡眠の質を上げることも重要なこと。寝る環境にも気を配りましょう。
2バランスの良い食事を摂る
美肌は健康な体がつくり出すものです。
健康な体はバランスのよい食事がつくります。偏った食事や過激なダイエットで栄養素が不足してしまうと、美肌づくりはできません。たとえ、美しい肌づくりに必要な成分だけを摂っていたとしても、栄養バランスが崩れれば肌機能は衰えてきてしまいます。
たんばく質は体や肌をつくる基礎となる栄養素ですから、豆類、魚、肉といったたんぱく質を多く含む食べ物を取るようにします。ビタミンAを含む緑黄色野菜も一緒に摂るように心がけます。
また、ビタミンCには強力な抗酸化作用があり、しみ、くすみの改善のほか、コラーゲンの生成をうながし、肌のハリを保つなど多くの働きがあります。ですから、ビタミンCを含む食品も積極的に摂るようにします。
3適度な運動
意識的に運動することで体の機能を整えることが必要となってきます。代謝機能がアップすると、、むくみやくま、くすみの改善、老化防止などの効果が期待できます。その上、ストレスや不眠、冷えなども解消されたり、緩和されるため、美肌づくりに大いに役立ちます。
だからといって、いきなり激しい筋トレを始めると、逆に肉体疲労を起こします。適度な運度量を毎日続けることが大切なので、手軽にできるウォーキングから始めましょう。
体が慣れてきたら徐々に筋トレを始め、基礎代謝をアップさせていきます。疲れをためない程度に長時間続けることで、体脂肪が燃焼しやすくなり、ボディも締まります。
美容の大敵から肌を守る
美容の大敵は紫外線、酸化、刺激の3つです。これらの影響と肌の守り方を身につけましょう。
1紫外線を浴びないようにすること
紫外線は電磁波のひとつです。紫外線を浴びると活性酸素が生じ、皮脂などを酸化させます。これが皮膚の細胞を傷つけ、炎症を起こします。そのほか、メラニンが多量に分泌されてしみができやすくなったり、シワやたるみの原因にもなるので、紫外線を浴びないよう注意することが大切です。
紫外線には、真皮まで達してコラーゲンを傷つけるA波と、表皮の炎症を起こすB波があります。これらの紫外線を防ぐには、日焼け止め化粧品を使用するのが効果的です。紫外線A波を防ぐ度合を「PA」、紫外線B波は「SPF」であらわします。
長時間外出するときや夏の時期はPA値が高いものを利用したほうがブロックできますが、その分、皮膚への負担も高くなるので、使い分けがおすすめです。
2細胞を酸化させないこと
活性酸素は細胞を酸化させ、病気や老化を引き起こす原因になります。肌が酸化するとしみやシワ、色素沈着、肌荒れなどの症状が起こります。
食品添加物、排気ガス、タバコ、紫外線やストレスなどによって酸化の原因となる活性酸素が発生しやすくなるので、それらをなるべく減らすようにし、必要以上に活性酸素が発生しないよう注意しましょう。
3肌に必要以上の刺激を与えないこと
日頃行っているスキンケアですが、洗顔するとき、コットンを使うときなど、必要以上に力が入ってしまうと傷つけてしまう恐れがあります。
傷つけてしまうとバリア機能が弱くなり、さまざまな肌のトラブルの原因となります。
肌を触るときはそっとやさしくすること。また、スキンケアやマッサージを行うときは手早く行い負担をかけないようにしましょう。
美肌は一日にしてならず! です。スキンケアだけでなく、生活習慣も含めたトータルケアの大切さを知ることで、外からも内からも健康的で美しい肌になりましょう。