基礎化粧品の役割と効果
基礎化粧品って何?
何気なくいつも使っている化粧品ですが、ドラッグストアに行くとたくさんの種類やメーカーのものが並んでいて、ひとつずつ手に取っていくと実にさまざまな種類のものがあります。
では、そもそも「化粧品」とはどのようなものなのでしょうか?
化粧品は大きく2つにわけることができます。ひとつは肌や髪の美と健康を維持する「スキンケア」、そしてもうひとつが容貌や印象を美しく見せる「メーキャップ」です。
メーキャップの土台を作る化粧品が「基礎化粧品」で、要するに「スキンケア」で使う化粧品のことです。
スキンケアの基礎を支える化粧品には洗顔料、化粧水、美容液、乳液、クリームといったものがあり、『皮膚を健やかに保って肌を整える』という役割があります。
美肌の条件とは?
では、美しい肌とは一体、どんな肌のことを言うのでしょうか。
適度な「潤い」「滑らかさ」「ハリ」「弾力」、そして「色」も重要です。これら5つがバランス良く整っていることが美肌の条件です。
ですから、美肌になるためには、自分に足りないものを補いながら、5つのバランスを整えていくようにすればいいのです。
スキンケアのポイントは?
美肌になるためにいちばん大切なことは、スキンケアを行うときにゴシゴシと力を入れてこすらないことです。
こすってしまうと角質層を傷つけてしまいます。するとバリア機能が低下してしまうので、わずかな刺激にも敏感になり、肌が荒れてしまうことになるのです。
きれいな肌にしようとしているのに、これでは逆効果。基礎化粧品を扱うときには力を入れずに行うことが大切です。手で肌を包むようにして、できるだけ肌を刺激しないように気をつけながら行うようにします。
美肌のためのポイント1 汚れを落とすこと
まず、美肌づくりにおいて大事なのは洗顔です。
では、なぜ、洗顔が大事なのでしょうか。
実は健康な肌は、弱酸性に保たれています。ところが、汗や落としきれなかったメイクなどで汚れていると、肌はアルカリ性に傾いてしまいます。すると、細菌が繁殖してしまい、これにより肌荒れを起こしやすくなります。
顔にはホコリがつきやすく、体の中からは汗や皮脂、老化した角質なども出てきます。皮脂、汗、ホコリ、メイクは空気にふれると酸化するので、洗顔でこれらをきれいに取り除く必要があります。洗顔で肌をきれいにすれば化粧水などの基礎化粧品の浸透も増し、肌は健康的によみがえっていくのです。
また、肌の汚れは、油性と水性にわけられます。
毛穴や小じわの奥にたまった皮脂やメイクは「油性の汚れ」ですが、汗、ホコリ、古い角質は「水性の汚れ」です。汚れは肌荒れや炎症の原因になるので、クレンジングと洗顔料を使ってきれいに洗い流していきます。
クレンジングでメイク落とし
まず、メイクを落としていきます。
メイクは「油性の汚れ」です。マスカラや口紅を使ったときは、専用のリムーバーを使うと手早く落とすことができます。ただ、目のまわりや唇は皮膚が薄い部分です。早く落とそうとして力を入れてしまわないよう気をつけましょう。
次に顔全体のクレンジングをしていきます。
ポイントは指の腹を使って、メイクとクレンジングをなじませていくことです。
すすぐときはぬるま湯を顔にかけるようにして、手早く洗い流していきます。
また、メイクは半日もすると紫外線や皮膚からの分泌物によって変質し、肌に悪影響をもたらします。メイクはできるだけ12時間以内に落とすように心がけましょう。
泡で洗う
1.まず、洗顔の前に手をきれいに洗います。洗顔料を手に取り、泡立てていきます。
「洗顔は泡立てが肝心」といわれても、手でたっぷりの泡をつくるのはなかなか難しいものです。そんなときは専用ネットを使えば上手に泡立てていくことができます。泡の量の目安はこぶし一個分程度です。
2.テカリやすい部分から先に洗っていきます。おでこ、鼻先、あご先に泡を乗せ、両手で円を描くように転がして、汚れとなじませていきます。たっぷりの泡を肌の表面で転がすように洗うのがポイント。泡が少ないと汚れが取れないばかりか、肌を傷つける原因になります。最後に、目の周りを泡をやさしく転がすように洗っていきます。
3.洗顔料が残らないように十分にすすいでいきます。泡が残りやすいのは髪の生えぎわ部分。ぬるま湯でしっかり落とした後、冷水ですすぐと毛穴が引き締まります。
4.タオルで肌を押さえるように水分をやさしく拭き取ります。ゴシゴシとこすってしまうと、肌を傷つけてしまうので注意しましょう。
美肌のためのポイント2 保湿をすること
化粧水を使って保湿していきます。
化粧水には角層を柔軟にして、水分を補給する役目があるため、次に使う化粧品の浸透性が高まります。だからといって化粧水だけ使えばいいというものではなく、乾燥対策と健康的な肌を保つのに有効です。
一番大切なのは化粧水をつけたときに気持ちがいいと感じることです。化粧水をつける心地よさを感じながらケアをしていきましょう。
つけかたも大事なことです。
手でつけている人は、手で顔をやさしく押さえるようにして化粧水をなじませていきます。手でつけると、どうしてもムラができてしまうようなら、コットンを使いましょう。
コットン使えば均一につけられますが、肌をこすってしまうため刺激になることもあります。たっぷりと化粧水をつけて、軽く押しあてながらなじませていくようにするのがポイントです。強くこすったり、たたいたりしても化粧水が奥深くに浸透していくわけではないので、できるだけやさしく行うことが大事です。
美肌のためのポイント3 保護すること
化粧水でしっかりと水分を与えたら、次は肌を保護していきます。
美容液を使う
美容液には保湿、美白、エイジングケアといった美容効果のある成分が豊富に含まれています。加齢とともに不足してくる肌の機能を補うのに最適のアイテムですから、30代からは必須。悩みのない20代なら、基本のケアだけでじゅうぶんです。
美容液を使うタイミングは、化粧水のあとがベストです。肌にしっかり水分を与えたあとなら、浸透力が高まるので、不足している成分を補って活性化し、肌のはりのおとろえを防ぐ効果が期待できます。
また、種類の多い美容液ですが、選ぶときは自分が改善したい悩みに絞ったものを選ぶことが大事です。たとえば、美容液は美白と決めたら、化粧水と乳液で保湿するというように選ぶといいでしょう。
美容液を効率よく使って、肌の力を底上げしていきましょう。
乳液やクリームを使う
肌を健康で正常な状態に保つために欠かせないのが、乳液やクリームです。年々、低下していく肌の水分と油分を補い、外的環境から肌を守る役目も。
最近は極端な気温の変化や大気汚染など、外的環境が悪化したため、バリア機能が低下している人が多くなってきました。バリア機能を上げるためにも乳液やクリームは必須アイテムとなります。
乳液とクリームの違いは水分と油分の構成バランスです。みずみずしさが好きなら「乳液」、皮脂分泌量が下がったと感じるなら「クリーム」を選びましょう。また、目元や口元などの乾燥が気になるときは部分的にクリームを使っても◎。
UVケア
どんなに気をつけていても紫外線は浴びてしまいます。たとえ外に出なくても部屋の中にいるときにも、少しずつ紫外線が降り注いでいます。ですから、UVケアは、短時間の外出でもおこたらないことが重要です。
また、UVケアは夏だけ行えばいいわけではなく、スキンケアとして季節は関係なく毎日行うと効果的です。
では、なぜ、紫外線を浴びるといけないのでしょうか。
紫外線は肌に蓄積するとしわやしみの原因となるからです。
紫外線が少ない季節はUVカット効果のある化粧下地とファンデーションを、多い季節や長時間の外出時には日焼け止め化粧品を使うようにします。
また、紫外線吸収剤を使用した製品は肌への負担が大きいのでできるだけ使っていないほうがおすすめです。毎日使うならSPF20程度の赤ちゃんにも使えるものなら肌への負担も少なくてすみます。
美肌づくりに必要なのは、特別なアイテムではなく、「洗顔やクレンジングで落とすこと」「化粧水でうるおすこと」「乳液やクリームで保護すること」の3つです。今まで行っていた自分流のスキンケア方法を見直すことから始めましょう。