前回は誘導体について解説するとともに、ビタミンCとビタミンC誘導体それぞれの効果について解説しました。
美容効果のある誘導体はビタミンCばかりではありません。ビタミンE誘導体も、美容に効果のある成分として大変有名です。
しかし、ビタミンC以上にビタミンEの機能は一般に知られておらず、ビタミンE誘導体の機能はさらに知られていない傾向にあります。
そこで、今回はビタミンEそのものの特徴や美容に対する効果について解説するとともに、ビタミンE誘導体がビタミンEとはどう違うのかについても併せてご紹介します。
ビタミンEとは?
ビタミンEとは、トコフェロール、またはα-トコフェロールなどとも呼ばれる脂溶性ビタミンの一種です。
脂溶性ビタミンとは、水に溶けにくく油に溶けやすいビタミンを指します。そのため、水と一緒に摂取しても体内では溶けず吸収されにくいのが特徴です。
ビタミンEは、医薬品、食品、家畜の飼料、栄養補給、酸化防止剤など幅広いジャンルで利用されている成分です。
ビタミンEが肌にもたらす嬉しい影響
ビタミンEには抗酸化作用があり、体内の活性酸素が細胞を酸化させるのを防いでくれる効果があります。
抗酸化作用はしばしばアンチエイジング効果とも呼ばれます。具体的には、肌のハリや弾力の改善・維持に役立つとされています。
肌のハリや弾力が改善されると、シワ・たるみの改善にもつながります。
結果的に、加齢が原因で表出したシワ・たるみも改善され、さらにアンチエイジング効果が高まる結果となります。
また、血行促進や肌荒れ防止の効果もあるとされ、血行の滞りが原因で起こるくまやくすみの改善に効果があるとされています。
ビタミンEはビタミンCなどの成分と一緒に紫外線などの肌ストレスから皮膚を守る機能も持っています。
そのため、定期的にビタミンEを摂取していると、日焼けやシミなどの紫外線による肌ダメージを防ぐことができるとされています。
ビタミンEとビタミンE誘導体の違い
ビタミンEが肌に対してさまざまな効果を持っていることは既にご紹介した通りです。
しかし、ビタミンEはビタミンC同様酸化しやすく、また水にも溶けにくいため化粧品として配合するには多くの問題を孕んでいました。
ビタミンEの分子の一部を変化させ、より酸化しにくく、より水に溶けやすくしたものがビタミンE誘導体です。
ビタミンE誘導体には紫外線から肌を守る効果が付け足されています。
また、ビタミンE誘導体には肌の炎症を抑える作用があります。肌の炎症を抑える機能によって、炎症を伴う赤ニキビを防ぐほか、肌が炎症を起こした結果として起こる色素沈着を防ぐことにもつながります。
さらに、ビタミンE誘導体には角質層のセラミドを増やす効果もあります。
肌のセラミドが増えると肌のバリア機能が回復し、肌の乾燥を防いだりアトピー性皮膚炎が改善したりするなどの機能が期待できます。
ビタミンEと誘導体を効果的に使い分けて美しい肌へ
ビタミンEの機能と、ビタミンE誘導体の機能をそれぞれご紹介しました。
ビタミンEには、アンチエイジング効果と紫外線などの肌ストレスから皮膚を守る効果があるとされていますが、酸化しやすく水に溶けにくいというデメリットがありました。
ビタミンE誘導体はそれらのデメリットを排除し、さらに炎症を抑える機能やバリア機能の回復機能などが付随しています。
ビタミンEとビタミンE誘導体を有効活用して、皆さまがより美しい肌を保つためにこの記事が一助となれば幸いです。