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植物幹細胞は肌年齢の若返りに効く?その役割と美容効果とは

植物幹細胞(しょくぶつかんさいぼう)という言葉を聞いたことはありますか?ここ最近「幹細胞」や「幹細胞コスメ」などという言葉が少しずつ知られるようになってきました。実は、植物幹細胞には肌年齢を若返らせる効果があるとして注目されています。エイジングケアに敏感な方にはぜひ押さえてほしいキーワードなので、以下で詳しく説明します。

植物幹細胞とは

植物幹細胞とは、植物由来の幹細胞成分によって、人の体性幹細胞に似たような働きをさせたもののことです。と言ってもわかりにくいので、噛み砕いて解説していきます。まず始めに幹細胞とは何なのでしょうか。

幹細胞の種類

幹細胞とは

人の細胞の一種。人の体内では、古い細胞が新しい細胞へとつねに生まれ変わっており、体を健康に保っています。この細胞の生まれ変わりを担当しているのが幹細胞です。厳密には、分裂し、同じ細胞をコピーして増やす機能「自己複製能」と、自分とは異なる別の部位の、さまざまな細胞を生み出す機能「文化能」、この2つの能力を持つ細胞のことを幹細胞と言います。ケガをしても自然に傷が治るのは、この幹細胞の働きがあり、新しい細胞が生み出されて再生されるからです。そして肌の幹細胞には表皮幹細胞と真皮幹細胞の2種類が存在し、それぞれ異なる役割をもっています。

表皮幹細胞とは

肌の表面にある幹細胞で、肌の生まれ変わり(ターンオーバー)に重要な働きを果たしています。肌の表面の角質細胞を作ることにより、肌表面を健康な状態に保っています。

真皮幹細胞とは

肌の奥にある幹細胞で、コラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸など、肌の弾力やうるおいを維持する物質を作っています。肌にハリをもたらします。
つまり肌に存在する、表皮幹細胞と真皮幹細胞は、美しく若々しい肌を作るためには重要な役割を担っているのです。

植物幹細胞とは

そして今回のテーマである植物幹細胞とは、植物由来の幹細胞成分によって、上記のような、人の幹細胞と似た働きをさせるもののことを指します。植物にも人と同じように新しい細胞を生み出したり、複製したりする幹細胞があります。この植物幹細胞が化粧品に応用できないかと考えられ始めたのは、人類が地球に誕生する前から、どんなに過酷な環境にあっても生き延び、再生を繰り返してきた植物の生命力に注目が集まったからです。植物が持つ強くみずみずしい生命力は、傷ついた細胞を再生させる「幹細胞」によるものだと明らかになってから、スキンケアの分野でも効果が認められるようになりました。植物由来の幹細胞なので、人の幹細胞そのものではありませんが、人の幹細胞と似た働きをさせることが可能になったのです。

幹細胞エキスの美容効果

赤ちゃんのお肌がいつもぷるぷるすべすべなのは、表皮幹細胞の働きが活発で、細胞分裂がさかんに行われ、肌の生まれ変わりの速度が速いから。また真皮幹細胞の数も多いので、次々にハリやうるおい成分を作り出せるからです。人は年齢を重ねるうちに肌の幹細胞が減少し、特に30代に入ると顕著に減り始めると言われています。しかし、肌の幹細胞を活性化させることができれば、肌の生まれ変わり速度も速くなり、ハリやうるおいをキープできるのです。幹細胞エキス配合のコスメは、塗布することで肌の幹細胞を活性化し、機能を高めてくれます。紫外線や乾燥などの刺激で傷んだ肌を再生し、肌年齢を若返らせることができます。そして何よりも、自分の肌の細胞そのものの働きを活発にしてくれるので、自分の細胞の力で美しい肌を手に入れることができます。見せかけの美しさだけではなく、肌の奥からにじみ出る若々しさ、肌本来のツヤやうるおいを取り戻すことが可能なのです。

幹細胞コスメの概要

優れた美容効果のある幹細胞コスメですが、いくつか種類があり、ヒト由来、動物由来、植物由来の幹細胞コスメが存在しています

ヒト由来の幹細胞エキス

ヒト由来の幹細胞エキス

動物由来の幹細胞エキス

動物の胎盤(プラセンタ)から採取した幹細胞を培養した成分。

植物由来の幹細胞エキス

さまざまな環境の下で生き延びてきた、生命力の高い植物から抽出した成分。

ヒト由来の幹細胞は人の細胞を培養して作られており、医療分野でもその力が利用されています。化粧品としても効果は高いのですが、その分価格も高め。また検体によって幹細胞の質がまちまちで、化粧品としての品質を安定させにくいという欠点があります。化粧品としての利用に反対する意見も多く、浸透するのにはまだ時間がかかりそうです。そして、動物由来の幹細胞については、人ではない動物の細胞が原料なので、体質によっては副作用の心配がされています。それに比べて植物幹細胞エキスは、植物由来なので大きな副作用もなく安全性が一番高い幹細胞と言えます。原材料が手に入りやすいため、化粧品も比較的リーズナブルで、続けやすいのも魅力です。

植物幹細胞エキスの種類

植物幹細胞エキスには多様な種類と特長があります。
中でも代表的なものとして、以下の種類があります。
1. リンゴ果実培養細胞エキス…4ヶ月が経っても腐らないとして有名な品種のリンゴから抽出された幹細胞エキス。
2. アルガニアスピノサカルス培養細胞エキス…モロッコの砂漠地帯に生息し、雨が少ない過酷な環境でも、枯れることのない強い生命力を持ったアルガンから抽出された幹細胞エキス。
3. ロドデンドロンフェルギネウム葉培養細胞エキス…高い山の上に生息するバラから抽出された幹細胞エキス。
4. カミツレ幹細胞エキス…肌に優しい花と言われるカミツレ=カモミールから抽出された幹細胞エキス。
このほかにも、たくさんの種類の植物幹細胞エキスが発見され、化粧品に使われています。そのどれもが肌の幹細胞に直接働きかけて機能を高め、肌年齢の若返りに効果を発揮します。

今回は幹細胞についてや、植物幹細胞化粧品について紹介しました。知れば知るほど、大きな効果を期待できそうな植物幹細胞コスメ。細胞の機能を活性化させて、肌年齢の若返りを促進してくれる点はこれまでの化粧品とはまったく違っている上、安全性にも優れています。ぜひ植物幹細胞コスメを毎日のケアに取り入れて、肌の内側から生まれ変わったような、いきいきとした肌を目指してみてはいかがでしょうか。

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